取り上げるのはSwitch「白昼夢の青写真」です。
いやいやいや。今回は書かざるを得ませんでした。だって神作品に出会ってしまったのだから。
Twitterでも本作の凄まじさを発信したのですが、それでも語り足らず、この熱量をブログの記事として残しておきたいと考えた次第です。極力ネタバレを避けて書いていきますが、どうしても気になる方はご注意ください。
まずは概要から。
本作は非常に独創的なシステムが採用されており、3つの全く異なる舞台・世界観の物語(case1~case3)がランダムに展開。それらが大きな1つの物語(case0)へと繋がっていく、という構造になっています。
Twitterで各caseそれぞれについての感想をつぶやいていますので、その内容を以下に掲載。Twitterでのツイートでは画像も合わせて載せているのですが、これは少々ネタバレとなり得るので、とりあえず文章のみを記しておきます。この記事の下部に元ツイートも埋め込んでおきますので、画像も気になるという方はスクロールしてご覧ください。
※最下部だけは一部大きなネタバレを含む感想を簡単に書きましたので、クリア後にご覧ください。
【case1】
「白昼夢の青写真」case1は現代が舞台。夢を諦めて無為に年齢を重ねた中年講師は、憧れだった小説家の娘と出会う。緩やかな死へと向かうその男は、少女との禁断の恋を通じ生まれ変わっていく。変化の行く末は「生」か「急激な死」か。凄まじく緻密な筆致により語られる、まるで文学作品のような一本。
【case2】
「白昼夢の青写真」case2は中世が舞台。実在の劇作家シェイクスピアの半生に新たな解釈を加えた意欲的世界観。場末の酒場の息子が美しきパートナーを得て、その天賦の才を武器にのしあがる。時代背景を反映した異教徒弾圧や性差別、封建的格差などの要素が物語に厚みを持たせる、絶妙な雰囲気の一本。
【case3】
「白昼夢の青写真」case3は近未来が舞台。写真家を夢見る少年がハレー彗星撮影のため奔走する、ひと夏の青春物語。ポンコツ教育実習生のヒロインと破天荒な修理工が繰り広げる軽妙な掛け合いが魅力的。どこかもどかしくも甘酸っぱい少年少女のプラトニックな恋模様がさらりと描かれた小憎らしい一本。
【case1~case3の総評】
【case0】
「白昼夢の青写真」case0は現実世界が舞台。それぞれ全く異なるcase1~3の物語が、パズルのピースのように美しく嵌まっていく。各ヒロインの性格、世界観、人間関係、結末、それらすべてに意味があったことを理解したとき、この作品の凄まじさに唖然とした。Steins;Gate以来の衝撃。なんたる大傑作か。
概ね以上に記したことがすべてですが、私はとにかく本作の設定の作りこみと革新的なストーリー構造に心から感銘を受けました。
どのcaseも単品でめちゃくちゃ面白いのに、これらはすべてcase0へとしっかり繋がっていきます。
これのなにが恐ろしいって、なんといっても、case1、case2、case3はどれも世界観や設定、雰囲気が180度まったく異なるところでしょう。一体全体、どうしてこれらを1つに結び付けることが可能なのか。すべてが伏線であり、すべてに意味があり、すべてが絡み合ってくる。この特大なカタルシスは本作ならではだと言えるでしょう!
【総評】
ちなみに、どのcaseのヒロインもデザインは似通っているのですが、性格などは全然違います。
しかしながら、全員が超がつくほど魅力的。case1の波多野凛は大人びているのにあざといし、case2のオリヴィア・ベリーは美しく妖艶だし、case3の桃ノ内すももはシンプルにかわいいし。だけどやっぱりcase0の世凪は可憐で健気で最高だし。1位は断トツ世凪ですが、2位以降は甲乙つけがたい。
物語の面白さでいっても、case0が1位ですが、case1~3は甲乙つけがたい。なんでこうも高いレベルで“どんぐりの背比べ”になるんですか(もちろん誉め言葉)。
前述しましたが、個人的に本作は「Steins:Gate」に勝るとも劣らないクラスの出来であると感じています。
すべての物語が繋がったとき、私はこの作品の凄まじさに言葉を失いました。そしてその感動の余韻でしばらく何も手が付けられなくなってしまいました。
掛値なしにノベルゲーム最高峰の作品だと思います。このページをご覧になっているすべての方にプレイしていただきたい、それくらいの自信をもっておすすめする一本です。
「これはーー世界と呼ばれた少女の物語だ」(作中より)
当ブログでは他にもたくさんのノベルゲームを紹介しています。
ご興味があれば以下をチェックしてみてくださいね!
SwitchのおすすめADV総まとめ!【傑作/名作ノベルゲーム集結】
元ツイート(画像つき) ※ちょっとしたネタバレでも気になる方はクリア後にご覧ください
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」case1は現代が舞台。夢を諦めて無為に年齢を重ねた中年講師は、憧れだった小説家の娘と出会う。緩やかな死へと向かうその男は、少女との禁断の恋を通じ生まれ変わっていく。変化の行く末は「生」か「急激な死」か。凄まじく… https://t.co/FlYLrcx8QF
2022/12/04 17:36:08
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」case2は中世が舞台。実在の劇作家シェイクスピアの半生に新たな解釈を加えた意欲的世界観。場末の酒場の息子が美しきパートナーを得て、その天賦の才を武器にのしあがる。時代背景を反映した異教徒弾圧や性差別、封建的格差… https://t.co/LBrhDgPX1V
2022/12/04 17:35:52
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」case3は近未来が舞台。写真家を夢見る少年がハレー彗星撮影のため奔走する、ひと夏の青春物語。ポンコツ教育実習生のヒロインと破天荒な修理工が繰り広げる軽妙な掛け合いが魅力的。どこかもどかしくも甘酸っぱい少年少女の… https://t.co/oUoEpzeGBC
2022/12/04 17:35:38
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」case1~3総評。
2022/12/04 17:36:41
どの一本をとっても単体で完璧に成立することに感銘を受ける。個人的にはcase1に最も凄みを覚え、case2に最も惹かれ、case3に最も癒された。どの章のヒロインもそれぞれ豊かな個性と溢れる… https://t.co/0bBrQo7MCj
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」case0は現実世界が舞台。それぞれ全く異なるcase1~3の物語が、パズルのピースのように美しく嵌まっていく。各ヒロインの性格、世界観、人間関係、結末、それらすべてに意味があったことを理解したとき、この作品の凄… https://t.co/KnuLsrbXmK
2022/12/04 17:36:58
エンタメ最高マン@entame3150man「白昼夢の青写真」総評。
2022/12/04 17:37:10
歴代でも間違いなく5指に入る神作品。全てのノベルゲーム好きにおすすめしたい一本。知識や教養に裏打ちされた物語の説得力と没入感はもはや異常。各caseごとの感想ツイートから、私の熱量が伝わればと願う。… https://t.co/N614cBLKTG
ネタバレありの一言感想(クリア後にご覧ください)
case1~case3はすべてcase0における世凪が記憶を維持するために書いた小説でした。書いた順番はcase3→case2→case1の順。だからcase3は明るく爽やかで、case1は悲壮感が漂っているんですね。
case1の禁断の恋は世凪が海斗と結ばれてはいけないと自分を律する切ない思いが反映されているとわかったとき、彼女の思いに胸が張り裂けそうになりました。
ラストがすべて「別れ」であること、各ヒロインの性格が異なること、登場するキャラクターたちとの人間関係やそれぞれの特徴に至るまで、すべてが彼女の経験や記憶によるものだと知ったとき、私はこの作品はもはや「芸術」だと感じました。
これだけの壮大な物語を構築したライターさんに心からの賞賛を送り、これだけの感動を与えてくれたことに心からの感謝を申し上げます。
すももももももももの内!