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この記事ではROOT DOUBLE Before Crime After Days Xtend Edition(ルートダブル ビフォークライムアフターデイズ エクステンドエディション、タイトルが長いですねw)をご紹介していきます!
公式サイトはこちら。

本作はイエティよりXbox360向けに発売されたSFサスペンスADVを、PS3向けにリメイクしたタイトルで、同様の内容のPSVITA版もダウンロード専売ではありますが発売されています。

シナリオを手掛けるのは傑作として名高いEVER17などで知られる中澤工さん。

原子力生物学研究機構第6研究所(通称ラボ)で起きた原因不明の爆発事故に巻き込まれた救助隊や高校生の脱出劇と、その裏で起こる数々の不可解な事件の真相に迫っていくサスペンスノベルゲームとなっています。

この作品の特徴として挙げられるのは大きく分けて二つ。

一つ目は本作は選択肢によってストーリーが分岐する典型的なテキストADVではなく、かなり特殊なシステムが導入されていること。

二つ目はタイトルにある通り二つのルート、二人の主人公によって別の目線でストーリーが語られ、どちらを先にプレイするかによって物語やキャラクターへの印象が180度変化すること。 (個人的にはA→Bの順を断固としておすすめします!)

以下これらの特徴を踏まえて詳しくレビューをしていきたいと思います。ネタバレにならないように配慮して書いているつもりですが、未プレイの方は念のためお気を付けくださいね。

<おすすめポイント>

先が読めずハラハラが続くA(アフター)ルート

アフタールートの主人公は笠鷺渡瀬。ラボで起きた爆発事故を受けて出動した特別高度救助隊・SIRIUS(シリウス)の隊長です。
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救助活動の最中にラボに閉じ込められてしまった彼らレスキュー隊は、要救助者を探しながら、放射線や火災などといった死の危機が迫るラボからの脱出を図ります。
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↑ラボ内のマップ。この構造を見るだけでわくわくしてしまうのは私だけでしょうかw

このルートの肝となるのは笠鷺の記憶が喪失していること。これが物語にどのように関わってくるのか、推理しながら楽しめるのが素晴らしい。決死のサスペンス劇が全編通して繰り広げられるルートです。

キャラ同士の掛け合いで作品の世界観が語られるB(ビフォー)ルート

ビフォールートでの主人公は天川夏彦。こちらはラボでの爆発事故以前の時間軸の物語が展開されます。
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事故前ということに加え、主人公が高校生ということもあり、こちらのルートは打って変わって学園もの風のADVとなっています。もっともただ単純に学生生活を描くのではなく、後の事故につながっていく「自動車事故」、「能力者・コミュニケーター」、「謎の転入生の登場」など、様々な伏線を張るルートということになります。

一介の高校生たちが(異能を持ってはいますが)どのような経緯で事故に巻き込まれたのかが丁寧に描かれたルートで、キャラたちの日常を楽しみながら世界観を理解することができます。

視点が変わると物語の意味が変わる! 

それぞれの視点を見ると、キャラ一人一人がどのような信念をもとに行動を起こしていたのかが明らかになっていきます。それまでとイメージがまるで変化するキャラも。そしてそれが物語の全貌を解き明かすカギとなっていく。このカタルシスはどこでも味わえるものではありません。本作を強くお勧めしたい理由の一つとなっています。

圧倒的な伏線回収と、キャラの背景の作りこみ

これはネタバレになるのであまり細かいことは言えません。しかしラボ内で起こる不審な事件の数々、爆発事故の真相、ラボ自体に隠された秘密、各キャラの不可解な行動・言動など、のめりこんで結末を知りたくなってしまうような魅力的な謎が作品全体に散りばめられています。そしてそれがラストにかけて鮮やかに回収される。 まさに期待通りの盛り上がりとなること間違いなし!信じられないような真実も!

またキャラ全員の掘り下げがすごく、これだけの密度をよく一本のストーリーにしたなと感心してしまいます。無駄のない設定が非常に心地よかったですね。

分岐を決定するセンシズ・シンパシィ・システム 

上述した通り、本作は選択肢がありません。物語の分岐は場面に応じてどの登場人物に共感するか、それを数値として入力することで決まります。
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どちらの人物を信用するか、どちらの人物の意見を採用するかなど、まるで自分が本当に選択を下しているような臨場感でストーリーを楽しむことができます。
またクリア後はアンサーモードで答えを自動的に入力してくれる機能が解禁されますので、未読パートの回収はそれほど大変ではありません。 
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間違えた選択をすればバッドエンドへ。かなりの種類のバッドエンドが用意されています。

<減点ポイント>

・システムが面倒に感じることも

上記の分岐システムはどのような数値にするのが正解なのか手探りで試してみなければならないため、ストーリーが気になる!先を読みたい!という時には面倒に感じることもありました。私自身攻略サイトを見ながらプレイするということも何度か。 先が気になる展開だけに、システムの煩雑さを感じてしまうのかもしれません。


というわけで、ここまで絶賛してきたルートダブル。ボリュームも30時間以上の大ボリュームです。
アドベンチャーゲームが好きな方、サスペンスフルで謎多きストーリーが好きな方には全力でおすすめしたいですね!
またテキストノベルはあまり・・・という方もその世界観に惹かれるなら購入して損はしないと思いますよ! 

 

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