dsの隠れた名作を紹介していく企画第三弾。
dsソフトでもまだまだ知られていない面白いタイトルはたくさんあります

今回は、

ウィッシュルーム 天使の記憶
ヘラクレスの栄光 魂の証明

の二作を取り上げます。

vol.1はこちら(ラジアントヒストリアなど)

vol.2はこちら(怪獣バスターズ、ルミナスアーク3アイズなど) 

をご覧くださいね。 


ウィッシュルーム 天使の記憶


独特な世界観のハードボイルド物語

願いが叶う部屋があるというホテル・ダスクに訪れた元ニューヨーク市警の警部・カイルハイドが奇妙な一夜を過ごすというアドベンチャーノベルゲームが本作。舞台は1980年頃のロサンゼルス。

主人公は三年前に失踪した同僚・ブラッドリーの手がかりをホテルで見つけます。

そんなホテルに宿泊する客たちはそれぞれが一癖も二癖もあって、また何かの秘密をそれぞれ抱えている様子。カイルは客たちとの会話の中でその秘密を暴き出し、ブラッドリー失踪の謎に迫っていくという物語になっています。

本作の特徴はとにかくその世界観。
鉛筆で書かれたようなモノクロなキャラや世界。

昔ながらの海外の探偵映画を見ているような感覚。表題にある通り、「ハードボイルド」としか言いようがありません。カイルが渋すぎてかっこいい。

また本作では一夜を一本のソフトとして表現しているため、時間の流れというのはコンパクトなんですが、非常に奥行きを感じられる出来栄えとなっています。ここまで先の気になる展開を一つのホテルの中だけで組み立てるのは驚きですね。

ホテルの探索やキャラとの会話のリアル感

dsソフトでグラフィックなどが気になる方も多いでしょうが、本作は先に述べたように鉛筆で描いたようなモノクロとセピア色がかった背景(水彩画みたいな感じですかね)によって構成されていますので、安っぽさをまるで感じさせません。

ホテルを歩き回り、気になるところを探索。どことなく怪しい宿泊客たちに質問を重ねて会話を誘導。
その仕組みが本作の雰囲気と相まって、かなりの臨場感を生み出しています。

最初から最後まで変わらないテンションで静かな展開は、本作のそれっぽさを一層際立たせているような気がしますね。


謎が多少残るラストなど、完璧な伏線回収には至っていない本作ですが、安価にこれだけの独特な渋すぎるADVが楽しめるのはなかなかお得だと思います。続編・ラストウィンドウも展開されていますし、カイルがかっこいいと思える方はぜひ。

 ↑こちらが続編ですね。


ヘラクレスの栄光 魂の証明

ヘラクレスの栄光シリーズで現在こちらが最新作ということになります。(長らく新作が発売されていない)

本作は古代ギリシャを舞台に、不死で記憶喪失である主人公が自分は何者なのか、なぜ不死なのか(ちなみに設定上、主人公だけでなく仲間たちも不死ですが)ということを知るために世界を旅し、神々の住むオリンポスを目指していくというコマンドバトル型のRPGです。

壮大な世界観

FF7などで知られる有名なライターである野島一成さんによるシナリオということで、物語が高く評価されているシリーズです。

ストーリー中で提示される主人公たちの正体、不死の理由といった謎は見事な伏線とともに回収され、後半はなかなか引き込まれる展開となっています。

ちなみにRPGとしては非常にオーソドックスな作りで、フィールドやダンジョン・街などを探索してストーリーを進めていく形式。ドラクエなどのいわゆるオールドタイプのRPGが好きな方にはおすすめできます。

優れたBGMと良好な操作性

音楽に関してもシャドウハーツなどで知られている作曲家による非常に耳に残りやすい曲がそろっています。
また操作性も感覚的でわかりやすい仕様なので、普段あまりRPGをプレイされない方でも安心です。


という感じで評価は全体的に高め・・・なのですが一つ致命的な欠点が。

何かというと、それは戦闘の「テンポ」です。
魔法の演出(一応カットはできますがそれでも長い)と戦闘ログがつらつらと表示されるのがその大きな要因となっています。

タッチペンを上手く操作することで魔法をパワーアップできたり、魔法を使う際のエーテルの仕組みが戦略的だったりと、システムそのものはなかなか新鮮で悪くありません。

ただもったいないことにテンポの悪さがその面白さをどうしても削いでしまっていることは否めません。
ですからそこに目を瞑れるという方におすすめしたいと思います。

 

さて今回は二作品を紹介しました。 
どちらも なかなかに隠れた作品だと思いますので、少しでも興味を持っていただければ嬉しいですね。

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