シンソウノイズ

今日は久しぶりのレビュー記事を書いていきたいと思います!
というのも、PS4で発売されたADVである「シンソウノイズ 受信探偵の事件簿」がめちゃくちゃ面白かったんですよ。これは書かねば!と奮い立ちましたw



本作は「受信能力」という、相手の心の中を読めてしまう主人公が、様々な事件を解決していく推理ADVとなっています。

もっともこの能力が万能なら、推理が介入する余地がなくなってしまうわけで、いくつか制限があります。

・一部を除き、誰の心の声なのかを判別することはできない。
・相手の心の壁が厚い場合は、そもそも心の声を読み取れない。
・心の声を読み取るためには、至近距離にいなくてはならない。

この「受信能力」を使って事件の推理をしていく過程が非常に斬新で、この作品の独自色を強めてくれています。

体験版も配信中。1章・2章を無料でプレイできます。セーブデータの引継ぎはできませんが、未読スキップ機能がありますので、そこまで問題にはならないかと思います。

先が気になるストーリー

ネタバレになってしまうので細かいことは言えませんが、本作では序盤に非常に大きな謎が提示されます。
それが作品全体を貫く謎となっており、ノベルゲームでもっとも重要と言える「リーダビリティ」を高めてくれています。


一つ一つの事件はトリックなどを含めてそこまで凝っているというほどではありませんが、捜査の過程が細かく描かれているおかげで非常に推理がしやすい。自分で事件を解決している感をしっかり味わうことができます。

また先に述べたように「受信能力」を活用して推理を進めていく展開はとても新鮮です。
犯人の焦りや怒り、犯行計画や事件の裏事情などを自分だけが知ることができるわけで、それに伴う主人公の孤独感や緊迫感が伝わってくるのも上手いなぁと思いましたね。

ちなみに本作のストーリーは序盤/中盤/終盤で大きく雰囲気が変わります。

序盤:古典的ミステリ
中盤:ファンタジー×ミステリ
終盤:ファンタジー×サスペンス

序盤は現場の見取り図が挿入されるなど、古典的な推理小説風の内容となっています(ツイートの画像にいくつか貼っておきました)。

一方で中盤以降はファンタジー要素が大きな割合を占めるようになってきます。融合のさせ方が非常に上手く、きっちり物語全体と整合性を取っているので私は気になりませんでしたが、多少好みが分かれる部分ではあるかもしれませんね。

 (個人的には第3章の不気味さと第5章のロジックがとても好きです。)


キャラクターが魅力的で青春ものとしても高く評価できる

いわゆるミステリー系統の作品は謎解きに主眼を置くことが多く、キャラクター描写が弱いといった欠点があるケースが見受けられます。

しかしながら本作は学園を舞台とした「青春もの」としても素晴らしい出来に仕上がっています!

まずなんといっても主人公の所属する班のメンバーたちが本当に個性的。
ヒロインたちのかわいさはもちろん、キャラクター1人1人の境遇や性格も丁寧に設定されており、それがしっかりと物語に絡んでくるんです。

人間関係が紐解かれ、また恋愛関係や友情関係が育まれていくのに合わせて、霧がかかったように先を見通せない物語の輪郭が明らかになっていく、というイメージですね。

本作をクリアする頃には、登場人物みんなに愛着が湧き、もっとこの世界に浸っていたい!と思えました。
(だってヒロインかわいいんだもん。)

<お気に入りヒロインランキング>

(左上:雪本さくら、右上:大鳥百合子、左下・右下:風間夏希)

3位 雪本さくら
メインヒロインと言うべき存在。謎多き少女ですが、彼女の抱える事情を知り、さらに好きになりました。

2位 大鳥百合子
名家の息女、超美形というテンプレ的なキャラに見えながら、いろいろな苦悩に苛まれている普通の少女、というところに惹かれます。

1位 風間夏希
ちょっとガサツだけど明るく快活な少女。いつでも真っ直ぐなその性格と、積極的で一途な姿勢が個人的にはどストライク。見た目(キャラクターデザイン)も一番好きです!


総評

そんなわけで「シンソウノイズ」、私は最高に楽しむことが出来ました!
クリアまでおそらく30時間ほど、その結果行き着いた”真相”にも納得がいきました。

自分で推理をしながら進めていくことのできるミステリとしての魅力。
「受信能力」をはじめとしたファンタジー要素が作り出す斬新さ。
個性的なキャラクターたちの紡ぐ青春ものとしての楽しさ。


それらが見事なバランスで混ざり合った傑作。こういう作品がもっともっとプレイしたいと思わされた1本でした。
少しでも興味がある方は、ぜひまずは体験版をプレイしてみてください!めちゃおすすめです!



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