久しぶりにおすすめの小説記事を書きたいと思います。
このブログはゲームに関する記事が中心ですが、私が「これは面白い!」と思ったエンターテインメントコンテンツ(小説・アニメ・映画など)に関しては積極的に取り上げていきたいと思っていますので、ぜひお付き合いくださると嬉しいです。

今回紹介するのは「アンデッドガール・マーダーファルス1」。 (講談社タイガ文庫)
ファンタジー世界で起こる事件を、怪物専門の二人組の探偵が解き明かしていく推理小説シリーズです。(本シリーズは現在二巻まで発売されており、三巻も発売予定。)
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著者は青崎有吾さん。私が以前紹介した、「体育館の殺人」「水族館の殺人」「図書館の殺人」といった”探偵・裏染天馬”シリーズの作者さんです。

私は裏染シリーズでこの作者さんのファンになってしまい、この方の小説を探していてこのシリーズに出会いました。

ここからはこのアンデッドガール・マーダーファルスの第一巻の内容に絞って、ネタバレはなし魅力をお伝えしていきたいと思います。

<レビュー>

おすすめポイント

ファンタジー世界でも相変わらず緻密な論理展開

本作の舞台はヨーロッパ。時代はおそらく中世だというイメージです。
この作品の世界では、吸血鬼や人造人間が存在。いわゆる「怪物」が人間のすぐ身近にいるという世界観となっています。

しかしそんな世界観の中で「殺人事件」が発生。怪物専門の探偵二人組(正確に言うと探偵(女)+助手(男))がアリバイやら密室やらと謎解きに挑むお話になっています。

裏染シリーズは現代の日本が舞台でしたから、同じ作者でも作品の雰囲気は全く異なっていますが、共通しているのは「緻密な論理」。

怪物には怪物特有の事情や設定・ルールを盛り込み、見事にミステリーとして謎を提示・解決していきます。

一般にファンタジーものというのは、ミステリ―との親和性が高くないと考えられがちですが、本作はその課題を見事に解決し、ファンタジックな本格推理小説を完成させています。

個性豊かすぎる登場キャラ

主人公・津軽真打(男)をはじめとして、登場するメインキャラたちはかなりの個性派ぞろい。
詳しいことはネタバレ防止のため書けませんが、メインキャラの一人の”状態”には度肝を抜かれましたねw

会話もシリアス調な事件・推理パート以外では、非常に小気味いいギャグ調のセリフが展開され、不思議とページをめくるスピードも早くなります。

文章は堅い感じではないので、ライトノベル感覚で気軽の読むことができるのもいいですね。それでいてしっかりミステリーしているのですから、ここはどなたにでもおすすめできるポイントです。ラノベチック本格ミステリ―と私は名付けたいですね。(あくまでラノベチックなだけなので、ラノベが苦手な方でも全く問題はないと思います。)

本筋のストーリーも興味深い

シリーズ化されているだけあり、キャラが抱えている事情もあって、本筋の物語を追う楽しさもあります。またアクションバトルもの的な描写(津軽VS怪物)もあって、一冊の中に飽きさせない工夫がいろいろあるところもいいところです。

<減点ポイント>

これといったものはありませんが、直接的な描写ではないにしろ、多少残酷な(というより気色悪い?)表現がないわけではありません。とはいえ普通のミステリーを読める方なら特に気にならないレベルかと思います。


というわけで、作者買いという感じで、中身は特に調べることなく購入しましたが、買って正解でした!またシリーズ2、3とレビューを書いていきたいと思います。

推理もの好き、ラノベ好き、中世風の世界観好きな方にはぜひともおすすめします。暇つぶし感覚で読まれるのもいいかもしれませんよ(ちなみにコミック版もあります。)


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