今日取り上げるのは富士見ファンタジア文庫から発売のライトノベル、「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」(羊太郎)です。現在シリーズは六巻まで、日常を描いたスピンオフが一巻発売されています。

本作は仕事をしたがらない怠け者のダメ人間、グレン ・レーダスが主人公という少し(?)変わりもののストーリー。彼は魔術学園の非常勤講師を務めることになるのですが、これがまたひどい。
 
遅刻は当たり前。来たと思ったら教壇で居眠り。ようやく授業を始めたと思ったら教科書を黒板に釘で打ち付ける。

そんなアホな!!という教師です。 

主人公のあまりのくそっぷりは呆れを通り越してもはや清々しいものがありますねw
でもそんなグレンの生徒がテロ事件に巻き込まれた時・・・彼の本当の姿が明らかになります

<レビュー>
 
おすすめポイント

・緩い日常パート
日常パートはギャグテイスト。グレンの教え子でヒロインであるシスティーナやルミア、グレンの育ての親的存在のセリカを交え、主人公のダメっぷりを余すことなく描いています。これがテンポ抜群で頭を空っぽにして気楽に読めます。ギャグのセンスもピカイチ。

・興味深いシリアスな展開
日常をひとしきり楽しんだあとにシリアス展開が待ち受けています。そしてこのパートが本当に面白い!グレンの過去や彼の魔術への考え方。グレンに抱く印象は大きく変わるでしょう。そしてこのグレンが最高にかっこいい。ギャップがすごい!惚れてまうやろー!って感じですw

・ヒロインたちが可愛い
作中の言葉を借りれば、システィ―ナは生意気な子猫。ルミアは可愛い子犬という対照的な二人のヒロインですが、どちらもとてもかわいいです。キャラクターとしての奥行きがとても丁寧に描写されているんですよね。だからより一層魅力を増すのだと思います。

・読みやすい文章と分かりやすい世界設定
シリーズ化を前提にした世界観でいくつかキーワードも出てくるのですが、さらっと書かれているためそこに気を取られて話に入り込めないということがありません。
また文章がいい意味でとても軽いので読みやすく、サラサラと読めるのが特長だと思います。



設定はかなり異色なのですが、そんな中で展開されるのは王道も王道。ギャグに笑わされ、展開に驚かされ、キャラの過去にしんみりとさせられ。いろいろな要素が高い完成度で集約された傑作だと思います。まだ完結していないシリーズですが、これからの行方にとても期待が持てる作品です。熱いラノベや気軽に小説を読みたい方はぜひ!




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