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「人狼が好きな方」、「サスペンス・ミステリーが好きな方」、「頭脳戦・心理戦が好きな方」、「アドベンチャー(ノベルゲーム)に抵抗がない方」、「民間伝承・神話に興味がある方」

一つでも当てはまった方にはぜひ手に取っていただきたい傑作中の傑作
人狼をモチーフにしたサスペンスホラーADVの最高峰
それがこの記事でレビューする「レイジングループ」です! 

あまりにも面白くてやめどきが見つからず、そんなこんなでいつの間にか朝になっている、それが一番のホラー・・・

と冗談はさておき、とにかく驚くべき完成度を誇る本作はNSw/PS4/PSVITAの三機種で発売されている、ケムコ製のダウンロード専用タイトルです。私はPSVITA版の時に目を付けていたんですが、結局プレイできず、ニンテンドースイッチ版の発売を機に購入しました。(どの機種も内容は全く同じです。)

ケムコのADVはどれも評判がいいことで知られていますが、その中でも特に絶賛の感想が目立つ本作。
価格は3000円とDL専売にしては高めですが、コストパフォーマンスもとんでもなく素晴らしい
引き延ばすような展開ではなく、クリア後シナリオ(暴露モード・追加ED)を含めれば濃い密度の物語を最低でも30時間以上は味わえるんです!

というわけで本作はネタバレ厳禁といえる作品ですので、この記事では基本的には公式サイトで分かる範囲以上のネタバレはしないように気を付けているつもりですが、念のためご注意ください。また一番最後だけ若干ネタバレを書いてしまいましたので、一気にスクロールされないようお気を付けください。

<簡単なあらすじ(公式サイトから引用)>

「おおかみ」信仰の残る地に夕霧立つとき、殺人儀式「黄泉忌みの宴」が開かれる!
「死に戻り」を繰り返し、惨劇を潜り抜け、怪奇事件の謎を解け。
「人狼(汝は人狼なりや?)」を大胆解釈したホラーサスペンスノベルADV。

(以上引用終わり)

とこれだけでは簡潔すぎるので若干補足。
主人公である「房石陽明」はバイク旅行で事故に遭い、「藤良村・休水集落」にたどり着きます。
そこは「申奈山」という強固な山岳信仰・民俗伝承が残る余所者嫌いの異質な場所。

主人公はそこで発生する怪異に巻き込まれて死亡してしまいます。
しかし彼はそれから、自分がバイクで迷っている最初の夜に戻ったことに気付きます。
この「死に戻り(ループ)」を繰り返し、怪異の謎・人狼の正体・そして時間が巻き戻る謎に挑む・・・というのが大きなストーリー展開となります。

<おすすめポイント>

先が読めないシナリオ

ハラハラドキドキはもちろんですが、謎が謎を呼ぶ展開・深まっていく事件の謎と村に秘められた狂気。
人狼ならではの心理戦・頭脳戦と主人公の推理をこれでもかというくらいに丁寧に描写しつつ、時に心に迫る感情の嵐の演出もしてみせる。
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人狼の醍醐味をすべて混ぜ込みつつ、それでいてそれを殺人や神話・童謡や村の歴史を軸として意外な方向へ発展させていくライターさんの筆力に脱帽しました。

魅力的なキャラクター

登場人物はメインだけでも十数名登場しますが、その一人一人が強固にキャラ付けされていて、印象が薄いキャラが存在しません。
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主人公はもちろん、ヒロインに当たる「芹沢千枝実」、「回末李花子」に加え、名代の「山脇多恵」や本名不詳の「狼じじい」、奇矯の振る舞い「醸田近望」など、キャラの把握が全く苦になりませんでしたね。(特にヒロインたちが本当に魅力的!!)
キャラクター同士の会話も生き生きしているように感じられました。

見事な世界観・雰囲気作りの上手さ

一見無駄に思えるほどに緻密な設定。
あり得ない・・・と思わせることなく、すべてを事実として飲み込ませてしまう、不思議なまでの説得力。
不気味であるが故に立ち入りたくなる「怖いもの見たさ」。結果としての恐怖演出。
どれもが計算されつくされているのが分かるからこそ、物語がこれほどに濃密になるんでしょうね。

また童謡として「申奈もうで」なる曲が幾度となく流れます。
加護として「へび・さる・からす・くも」といった役職も覚えられるようになっています。
この歌詞がまた本作の世界観を見事に表していて、クリアする頃にはついつい口ずさんでしまいますw

システム/インターフェースの快適さ
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本作はループ物であることから分かる通り、かなりシナリオチャートが複雑ですし、物語も細かく分岐します。
バッドエンドもかなりの数用意されています。

しかしこのシナリオチャートはいつでも好きな時にシーンジャンプをすることができ、何度も同じ文章を読む手間は一切ありません。
ヒント機能も充実しており、どの選択肢を選ぶべきか、次にどうすればいいか、”変な羊”が事細かく教えてくれますので、迷ってしまう心配もありません。
(バッドエンドを見ることで、新たなキーが手に入ることがあり、それで別の選択肢が解放される。)


さて、そんなわけでここまでレイジングループをこの上なく褒めたたえてきたのですが、いくつか若干気になるポイントも挙げておきます。

多少の残酷表現

文章だけの描写ですし、残酷表現OFFで伏字にできるのでそこまで大きな問題ではありませんが、多少グロ描写はあります
とはいえ「ひぐらしのなく頃に」が平気な方なら全く問題がないレベルだと思います。(個人的にはひぐらしよりもだいぶマイルドな印象)


概ねこんなところでしょうか。
繰り返しになりますが、プレイする価値が間違いなくある凄い作品なので、少しでも興味がある方は購入されて損はないと思いますよ!



<以下若干(?)のネタバレを含みます!
未プレイの方はお気を付けください!>







全般的に鬱展開

どうしてもループ物の鉄則ですが、大団円を迎えるまでは鬱展開が多めです。
特に主人公が「狼役」となる暗黒シナリオはなかなか辛かったです。まあ、後からいろいろと判明するんですけどね。

最終盤に至るまでの展開がいまいち盛り上がらない

もちろん好みの問題などもあるんでしょうが、「かみさま」の謎を解いていくまでの過程は少し間延びした感を覚えました。ここは人狼らしく”宴で解決”、という流れを見てみたかったところです。
ラストそのものは「かみさまを殺す」シーンなど感情を揺さぶられましたが、その準備となるパートが長かったかな?という印象です。

千枝実VS李花子VS春

私は千枝実派から少しずつ李花子に流されつつ、でもやっぱり千枝実派です!(笑)

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