現行の機種で遊べる過去作品を発掘することを目的とした、「隠れた名作」記事シリーズ。
今回は以前公開した、

PSVITAでも遊べる!PSPの隠れた名作をご紹介!vol.1
PSVITAでも遊べる!PSPの隠れた名作をご紹介!vol.2

に次いで、vol.3となります。 
(記事タイトルの”PSVITAでも遊べる! ”はPSストアでのダウンロードによります。PSPのゲームソフトはVITAでは使えませんのでご注意ください。)

今回は、

テイルズオブリバース
車輪の国、向日葵の少女

の二作を扱います! 


テイルズオブシリーズのマザーシップ作品の一つを”隠れた”などと言うと怒られてしまうかもしれませんが、シリーズの中では地味な印象を持たれがちであまり目立たないという意味で、今回は取り上げることにしました。

本作は「人種差別」という非常にシリアスで重いテーマをストーリーの根幹に据えた作品で、かなり異色な内容。いろいろと考えさせられる物語が展開されます。

具体的に簡単に作品の世界観を書いてみると、知に優れたヒューマと武に優れたガジュマという二つの種族が共存するカレギア王国が舞台。二つの種族は建国以来友好的かつ平和に暮らしていたが・・・という感じ。

<おすすめポイント>

社会風刺的な重い物語

本作が発売されたのはPSP版でさえもうだいぶ前ですが、昨今の問題に繋がるような設定となっています。

ヒューマとガジュマの間で鮮明になる対立。それはプレイヤーの心に刺さるようなイベントでも数々描かれます。人種の違いに何か意味があるのか。キャラクターたちが葛藤する中でその答えを見出していく過程は感動的です。

やりごたえのある戦闘

バトルシステムは3ラインの2Dアクションとなっている本作。
シリーズの中でも非常に難易度が高く、RPGでは戦闘が大切!という方にぴったりです。

テイルズオブシリーズはほとんどの作品で他のRPGシリーズ同様、”ファーストエイド”のような回復系の魔法があります。
しかしこのリバースではそれがありません。回復はアイテムか、特技を当てることで行います。(一部例外はあります。)

しっかりと準備をして戦闘に挑まないと、簡単にやられてしまうようなバランスになっている、ということですね。

まとめ

キャラクターデザインに癖があることもあり、敬遠されている方も多いと聞くリバース。
作品自体から伝わってくる暗さ・地味さ、キャラの薄さなど、テイルズらしくない作品であることは間違いありません。

しかし前述のとおり、シリアスで難しいテーマに正面からぶつかった意欲作だと思いますので、はまった人は感動できる作品だと言えます。 戦闘重視のRPG好き、鬱展開が許容できるプレイヤーの方におすすめしたいと思います。


続いては車輪の国、向日葵の少女。前から気になっていたこの作品、先日5pb.のセールで安くなっていて購入したんですが、これがまた本当に名作でした!
こちらもまた非常に特殊な世界観を持ったADV作品です。

本作の舞台は「罪を犯すとそれに応じて義務を課せられる社会」。作品内では「車輪の国」とだけ呼ばれています。(日本と対比するように出てくるため、架空の国ですね。)

この国では犯罪を犯しても”刑務所に入る”という概念はなく、その罪の内容にやって様々な義務を課せられます。(義務を破ると強制収容所に送られる)

主人公は罪人の更生指導を行う「特別高等人」の候補生で、その最終試験の一環として田舎町にやってきます。
そこで「一日12時間しか過ごせない義務」、「大人になれない(大人として認められず言いつけを厳格に守らなければいけない)義務」、「恋愛できない義務」などの罪を負った三人の少女に出会います。

そしてそんな彼女たちと過ごしていく中で、 主人公の隠された過去と、ヒロインたちの抱えた悩み・苦しみが明かされていく、という物語です。

<おすすめポイント>

描かれる重厚な人間ドラマ

ヒロインたちの更生指導をしていく中で、彼女たちが義務を負った理由が明らかになっていきます。
しかしその過程を知っていくことで、主人公は新たな困難に直面していくことになります。
ちなみに作品内で登場する主人公の上司”とっつぁん”(法月将臣)の醸し出す緊迫感は半端ありませんw彼の考えていることを先読みしながら進めると二倍楽しめるかも!?

はっとさせられる伏線

主人公がとる何気ない行動や、意味の分からない(必要性を感じない)描写がいくつか出てきますが、それはしっかり伏線として回収されます。
ネタバレになるため詳しくは言えませんが、何も考えずに進めていると作中何度か驚くことになるでしょうね。

軽快な会話

ストーリーラインは決して軽いものではなく、むしろ重苦しさも漂うのですが、キャラ同士の掛け合いは非常に軽妙で、それが作品そのものをとっつきやすくしてくれています。
キャラクター達もみな個性的で、ヒロインたちも親しみの沸くキャラばかりでした。

まとめ

数多く発売されているノベルゲーム作品の中でも私はかなり高評価をしている本作。
恋愛だけをストレートに書いた作品ではなく、「社会」の在り方そのものさえも描こうとした物語は、特殊な設定からこそ生まれるものなのだと思います。

また驚きの真実が明かされる流れも上手く、主人公にも非常に好感が持てました。
共通ルートがほとんどを占めていて、個々のキャラエンドのボリュームはわずかであることは賛否分かれるかもしれませんが、私はこの作品にフィットしていて良かったと思います。

ノベルゲームが好きな方、伏線を読み解くのが好きな方、キャラの掘り下げ・群像劇が好きな方などにおすすめしたいです。本当に名作です!(二回目)
 
 

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